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ファイナンシャル・プランナー 中野敦成
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マイホーム購入の時には、物件選び、間取りや内装の検討、住宅ローン選び、家財の購入、引っ越しなど、色々と考えることがあります。住宅ローンについて、「いつ」「どんなことを」考えればよいかをあらかじめ知っておくことで、少しでも余裕を持って住宅ローン選びが出来るようにしましょう。

マイホームを探す前に住宅ローンの借入金額について考えよう

マイホームを購入する多くの人が住宅ローンを利用します。では、その住宅ローンはどのタイミングで考えたり検討したりしたらよいでしょうか?

前提として、マイホーム購入では大きく次の3つの事を考える必要があります。
・いつマイホームを購入するか(購入時期)
・どんな家を購入するか(購入物件)
・いくらくらいの家を購入するか(購入金額)

住宅ローンは「購入金額」の一部です。購入金額は「自己資金(自分の貯蓄等+家族からの援助)+住宅ローンの借入金額」と考えられるので、住宅ローンでいくら借りるかは購入金額に大きく影響します。このため、マイホーム購入時期を決めたら、購入物件探しの前に住宅ローンの借入金額について考えてほしいのです。

マイホームを購入することを決めたら、いきなり物件探しを始める人も少なくありません。気に入った物件があり、その物件価額に合わせて住宅ローンの借入金額を決めるという流れになると、少々無理をしてでも、その物件が買える金額を借り入れしようとします。でも、もしかしたら、その少しの無理が、将来大きな負担になるかもしれません。
例えば借入金額が2,500万円の場合と3,000万円の場合で比較してみましょう。

  借入金額2,500万円 借入金額3,000万円
毎月返済額 77,900円 93,480円
総返済額 約3,272万円 約3,926万円

※借入期間35年、金利1.61%、全期間固定金利型、元利均等返済、ボーナス返済なしで計算

上記の例では、借入金額が500万円多くなると、毎月返済額は約1.6万円多くなります。何かを節約すればやりくりできるのではないかと思える程度の違いかもしれません。しかし、住宅ローンの借入金額を決める時に大事なことは、「将来も無理なく返済ができる金額であること」です。マイホームの購入以外に、これから増えていく子どもの教育費などのことも考えてみましょう。また、上記の例の総返済額を見てみると、毎月の違いは小さくても、35年間で約650万円もの違いになります。遠い将来ではありますが、老後の生活費にも影響することを念頭に入れて考えてみましょう。

物件探しをする前に、住宅ローンを含めた全体の予算を決めておくと、物件選びの範囲が絞られ、スムーズに進められるというメリットもあります。また、物件探し前や物件探し中に金利タイプの違いなど、住宅ローンの仕組み全般について理解しておくと、後日住宅ローン商品を選ぶ際に役立ちます。

商品選びは購入物件が決まってから

さて、具体的な住宅ローン商品を探したり選んだりするタイミングはいつが良いのでしょうか?それは「購入物件が決まってから」が良いでしょう。購入物件が決まらないと住宅ローンの審査をしてもらえないためでもあります。

住宅ローンの審査は、以下のような内容を審査します。

購入物件の情報:物件価格、建築年、建物の構造、土地や家屋の延床面積など
借入希望者の情報:年齢、家族構成、職業、年収、勤務年数、他の借り入れ状況など

住宅ローンの審査条件は金融機関によって異なります。条件によっては利用できない住宅ローンもあるので、購入物件が決まっていないと具体的な商品選びができないのです。

また、あまりに早く探してしまうと、新しい情報を逃すこともあります。金利も毎月変動していますし、金融機関がより有利な条件の商品を出す可能性もあり、なるべく新しい情報の中から商品選びをするためにも、購入物件が決まってからが良いでしょう。

ただし、中古物件などで、契約から引き渡しまでの時間が短い場合には、十分に住宅ローン選びの時間が取れないこともあります。そのためにも住宅ローンの仕組みなどは事前に勉強しておき、自分にあった金利タイプなどをあらかじめ決めておくとスムーズです。

引き渡し前に再度住宅ローン商品の検討を

住宅ローンの手続きは一般的に図のような手順で行われます。

<一般的な住宅ローンの手続きの流れ>

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事前審査から融資実行までに要する日数は金融機関によって異なります。10日ほどで完了する金融機関もある一方で、2ヶ月程度かかる金融機関もあります。特にネット銀行の手続きは、時間がかかることがありますので、ネット銀行の住宅ローン商品を検討したい人は特に余裕を持って進めましょう。

また、審査の結果、融資を受けることができない、予定していた融資金額より減ってしまったなどの場合、別の金融機関に申し込みをしなくてはいけません。このようなことを考えると、具体的な金融機関や住宅ローン商品選びは、購入物件決定後、引き渡し予定日の3~4ヶ月前に行っておくと確実です。

なお、物件の売買契約から引き渡しまでの期間が長い物件でも売買契約直後に事前審査を行うケースが多くあります。 売買契約の条件の中に「住宅ローン特約(融資利用の特約)」が盛り込まれている場合、住宅ローンの融資を受けることができないと売買契約が無条件で白紙解除となるからです。そのため、購入することを明確にするために、早めに住宅ローンの事前審査を行うのです。

事前審査をしたからといって、その金融機関で必ず借り入れしなければならない、ということはありません。時間が経てば、金利状況や商品が変わっていることもあります。引き渡しの2ヶ月程度前になったら、改めて住宅ローンの検討をしてみると良いでしょう。

どの商品がお得なのか、ということが気になるかもしれませんが、物件探しの前はまず住宅ローンの仕組みを勉強したり、我が家にとって適切な住宅ローンの借入金額について考えたりすることに注力しましょう。
具体的な商品探しは購入する物件が決まってからの方が効率的です。その物件や自分の状況から借り入れできる金融機関を絞り込み、商品内容を比較して決めていきましょう。

 

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中野敦成

ファイナンシャル・プランナー

2005年から独立FPとして、大阪で個人相談を中心に活動中。
年間300件以上のご相談を受ける傍ら、『あんしんして豊かに暮らす』をテーマにセミナーや執筆でも活躍中。

FP事務所LBプランニング

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