ファイナンシャル・プランナー 金子千春
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母の介護を自宅でしようと思っています。そのためにリフォームをしようと思っていますが、その際の補助金はどのくらい出るのでしょうか。また補助金が出る際に条件はあるのでしょうか。(50代/女性/専業主婦)

介護が必要となった場合、手すりをつけたり、段差をなくしたりするリフォームは急務ですが、実際にリフォームをするとなると結構お金もかかるものです。
バリアフリーリフォームをする場合には「高齢者住宅改修費助成制度」という仕組みがあります。これは、要介護者または要支援者がバリアフリー工事を実施する場合に、介護保険により工事費用20万円を限度として、その費用の9割が助成金として支給される(つまり最大支給額は18万円)、というもので、支給が受けられる要件や対象となる工事内容は、以下の通りです。

<支給要件>
・要介護認定によって、「要支援・要介護」に認定されている。
改修する住宅の住所が被保険者証の住所と同一で、本人が実際に居住している
(対象者の住民票が住所地にあること)
・助成額の限度は、工事費用最高20万円(支給額は18万円)、工事費の9割を支給
(一生涯での枠なので、何回かに分けて支給を受けることも可能。また、「要支援」「要介護」のランクが要介護2から要介護5になったなど3段階以上ランクが上がった場合、転居した場合などは改めて20万円まで助成を使うことができる)

<対象となるリフォーム工事>
手すりの設置(廊下、便所、浴室、玄関等の転倒予防、若しくは移動又は移乗動作に資することを目的として設置するもの)
段差の解消(敷居を低くする、スロープを取り付けるなど、居室、廊下、便所、浴室、玄関等の各室間の床の段差を解消するための工事)
滑りの防止および移動の円滑化のための床材の変更(床を滑りにくい材質のものに変更する、車椅子が移動しやすい床に変更する、など)
引き戸等への扉の取り換え(開き戸から引き戸やアコーディオンカーテンに変更するなど)
洋式便器等への便器の取り換え
(和式タイプの便器から洋式タイプの便器への変更、和式便器から暖房便座・洗浄機能等が付加されている洋式便器への取替えはなど)
その他、上記の工事に付随して実施する工事

手続きは、本人名義の領収書、工事費内訳書、改修完了確認書(リフォーム前後の写真も添付)を持って市区町村の介護保険課に申請しますが、事前に市役所等に確認をしておくと安心ですね。また、工事内容によっては、助成の対象とならないケースもありますし、使う人に本当に必要な工事を適所に実施することが大切です。必ず工事をする前にケアマネージャー(介護支援専門員)、主治医などに工事の内容を確認・相談しましょう。
なお、各自治体などで、別途、「高齢者住宅改修費支援制度」や「障害者住宅改造費助成制度」が用意されている場合もあります。助成額は各自治体によって異なりますから、自分がどんな助成制度を使えるのか、まず、自治体の相談窓口に相談すると良いでしょう。

また、補助金がもらえるわけではありませんが、支払った所得税を返してもらえるリフォーム減税制度もあります(平成31年6月末まで)。これは、自分が所有し、住んでいる家について、一定のバリアフリー改修工事を行った際に、確定申告を行うことで、その年に納めた所得税から一定額を返してもらえる制度です。この制度は、50歳以上であれば、要介護・要支援者でなくても利用できますし、要介護者または要支援の認定を受けた人の同居親族も使うことができます。もし、親の家ではなく、自分の家で介護を行うためのリフォーム工事を行い、資金も親ではなく自分が出すのであれば、活用しましょう。なお、リフォーム減税はローンを組んでリフォームを行った場合でも適用されます。

さらに、一定のバリアフリー改修工事を行った住宅の翌年分の固定資産税額(100m2相当分までに限る)が1年間、3分の1減額されるという制度(平成30年3月末まで)もあります。何が使えて何が使えないか、使い漏れのないようい確認をしておきたいものですね。
ちなみに、親の名義の家を、子が資金を出してバリアフリーリフォームする場合には、贈与に当たり、金額によっては贈与税がかかってきます。誰名義の家を誰のお金でリフォームするのか、という点についてもしっかり考えておきましょう。

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金子千春

千春コンサルティング事務所 代表
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャル技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー

新生銀行を経て2004年より独立。ライフプランや住宅ローンセミナー、個別相談、宅建講師、企業の従業員向け投資教育、小中学校や児童館での金銭教育など、「知らないで損をする」ことのないようにという観点から、講師や執筆を中心に活動中。

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