0019
ファイナンシャル・プランナー 水野圭子

現在25歳OLです。今後のライフプランとして、30歳までに結婚、出産(子どもは2人)を考えており、35歳くらいでマイホームを購入できたらなと思っています。結婚、出産、マイホーム購入、老後など、さまざまなライフイベントがありますが、どの段階でいくらお金の準備が必要になるのでしょうか。いくらくらいの貯金を目指せばよいのでしょうか。今から月々どのくらい貯金していくのが理想なのかも含めて教えてください。(Mさん/25歳/女性/会社員)

★ファイナンシャル・プランナー 水野圭子さんからのアドバイス

Mさんは若いながら、目的をもって、しっかり貯蓄計画を立てる意識は素晴らしいですね。人生は一度きり!思い描いた通りの人生を送るためにも、ライフイベントにかかる費用を確認して、計画的に貯蓄ができるよう、3つのステップで考えてみましょう。

<3つのステップ>

1.ライフイベントを書き出してみる
2.いくらくらい必要か?
3.貯蓄計画をどう立てるか?

 

1.ライフイベントを書き出してみる

どういう人生を送りたいのかイメージして「ライフプラン(=人生の設計書)」をつくることで、必要なお金を把握しやすくなり、貯蓄をする目的も明確になってきます。無駄遣いをやめるきっかけになったり、実現性も高まるでしょう。もし途中でイメージ通りにいかなかった場合は、その都度見直していきましょう。

Mさんの場合、現在のライフイベントはこのようなイメージですね。

zu01_660

では次のステップでは、実際にそのライフイベントに必要な金額を見てみましょう。

 

2.いくら位必要か?

では結婚や出産、住宅費用、老後でどのくらいの費用がかかるのかを見てみましょう。

<結婚・出産費用>
「ゼクシィ結婚トレンド調査2015調べ」によると結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用は全国平均460.7万円、ご祝儀は全国平均227.1万円となっています。親の援助やご祝儀を差し引くと、約233.6万円を自分たちで準備する必要がありそうです。さらに新生活準備に約77万円(ゼクシィ新生活準備調査2015調べ)かかると考慮すると、結婚費用としては約310.6万円必要となります。ただし結婚費用はたいてい彼との折半となりますので、約160万円を目標額にしたらいかがでしょうか。

また出産費用としては、出産前の妊婦検診も自治体補助が出ますので負担が少なくすみます。分娩費用は全国平均約50万円(平成27年度出産費用 国民健康保険中央会)かかるものの出産一時金が42万円支給されるため、ゆとりを持って1人あたり約10万円、2人分で約20万円を目安としましょう。ただし無痛分娩や病院によっては費用が高くなったりしますので、もう少し余裕を持っておくとよいでしょう。また、意外とベビーグッズなどの出産準備等で出費が嵩むことがあります。人によって違いが出ますが、結婚費用と併せて約200万円を28歳くらいまでに貯めていく計画ではいかがでしょうか。

<住宅購入費用>
さらに大きな買い物である住宅購入は人生の3大支出の1つとされています。「2015度フラット35利用者調査」によるとマンション購入価格は全国平均4,270.5万円です。住宅ローンを活用されるケースが大半ですが、諸費用など登記にかかるお金や住宅ローンの手続き費用、引っ越し代などは頭金として現金で用意しておきたいですね。購入価格約4,300万円の2割である約860万円の頭金を35歳までの目標にしていきたいですね。
また、子どもを持てば教育費金もかかりますし、いずれ準備が必要な老後資金も併せて確認しておきましょう。

<教育費>
人生の3大支出の2つ目に該当するのが教育費です。子ども1人あたり幼稚園から大学までにかかる教育費は1,000万円~2,000万円といわれ、子どもの成長とともに家庭の支出での比重が大きくなっていき、教育費のピークは子どもが大学生のときです。約8割の子どもが大学や専門学校に進学しています。平成28年2月に発表された日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果(平成27年度)」データによると、高校入学から大学卒業までにかかる入在学費用は、子供一人あたり約900万円という結果になっています。
参考:「教育費負担の実態調査結果」(平成 27 年度)
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_h27.pdf

<老後の生活費>
また3大支出の3つ目でもあるのが、リタイアした後の老後資金です。総務省の家計調査統計(平成27年度)によると、退職後の高齢無職世帯の実収入は1ヶ月あたり約21.3万円ですが、税金や社会保険料を除いた可処分所得(手取り所得とよぶ)は約18.2万円、消費支出は約24.4万円のため、毎月約6.2万円が不足している計算となります。
平均寿命が女性86.8歳(平成27年時点)となりますので、65歳までに必要な老後資金を計算すると、
不足分約6.2万円×12ヶ月×21.8年(86.8歳-65歳)=約1,622万円となります。(※)
生活水準や住居費などによっても必要な老後資金が変わってきますが、少子高齢化で年金事情を考慮すると、この老後資金についてもいずれ考えていきたいですね。
※こちらはあくまで目安の金額です。

さて、ではライフイベントでかかる費用を見てきましたが、実際の貯蓄計画を立ててみましょう。

 

3.貯蓄計画をどう立てるか?

[目標額]÷年数÷12ヶ月で計算できます。ここではMさんが現在考えている結婚・出産費用と住宅の頭金について計画を立ててみましょう。

◎結婚・出産費用を25歳から3年計画で約200万円を貯める場合
200万円÷3年÷12ヶ月=約5.6万円/月となります。
◎住宅の頭金860万円を結婚してから7年計画で貯める場合
860万円÷7年÷12ヶ月=約10.2万円/月

一度にたくさんの貯蓄はできないけれど、例えば25歳からの3年間は結婚・出産費用として月5.6万円を集中して貯蓄すると3年後には約200万円達成します。
また、結婚した後はご夫婦として月10.2万円ずつ貯蓄すると、7年間で目標である860万円に近づく金額になるので、住宅頭金の準備ができる計算となります。

<貯蓄イメージ>zu02_660

上記はあくまでも貯蓄の目安ですので、家計状況によって目標額を下げたり、貯蓄期間を延ばしたりして、収入とのバランスを見ながら無理のない貯蓄計画を立ててみてくださいね。無茶な計画を立ててしまうと、長続きできずに途中で断念というケースもあるようです。

また、貯蓄計画を立てる上で、無駄な出費はないかなど、支出の見直しをすることで、貯蓄額をアップできますね。
収入が右肩上がりに上昇していく時代ではないので、“入ってきた収入の中でいかに上手にやりくりしていくか”が年数を重ねるごとに貯蓄額にも影響してくるのです。

私は日頃マネーセミナー講師としてたくさんの女性と向き合う中、将来のお金への漠然した不安を持った女性は多いものの、数字をリアルに出していない方が非常に多いと実感します。
どんな時にどんなお金がかかるのか?貯蓄もただ何となくするよりは、『なんのためのお金の貯蓄か』を明確することで、自分の希望する人生を歩む上で、経済面でも随分安心になるかと思います。

●関連記事
退職金を運用! セカンドライフの生活設計はどうやって行うの?
定年までに2,500万円の貯金が必要? 定年後の生活費は大丈夫?
生命保険で満期金を受け取った場合の税金はどうなるの?

0019
水野圭子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®、住宅ローンアドバイザー

K'sプランニング代表。金融機関を経て2010年より独立。企業研修やマネーセミナー講師としても年間1,000名以上の女性に賢いお金の知識を伝え、雑誌やWebでも情報発信している。また個別相談では住宅ローンや運用、保険見直しなど多岐にわたり顧客のサポートをしている。

K'sプランニング

この記事が気に入ったらいいね!しよう
イエトヒトマガジンの最新記事をお届けします
この記事を友達にシェアしよう