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ファイナンシャル・プランナー 金子千春

加入している生命保険の期間がもうすぐ満期になります。満期金の受け取りは自分になっていますが、受け取った場合、確定申告などは必要なのでしょうか。また税金はどうなるのでしょうか。(50代/男性/会社員)

★ファイナンシャル・プランナー 金子千春さんからのアドバイス

満期金が受け取れる保険の代表的な商品は、保険期間が終了した時に死亡保険金と同額の満期保険金が支払われる「養老保険」や、子供の教育費などのために保険料を積み立てることによって、あらかじめ決めた時期にまとめて満期金を受け取れる「学資保険」です。これらの満期保険金を受け取った場合には、契約者と被保険者および受取人の関係によって所得税、贈与税のいずれかが課税されます。契約形態によっては、余計な税金を支払わなければならないケースも出てきますので気をつけましょう。具体的には以下の通りです。

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まず、契約者(保険料負担者)と保険金受取人が同一の場合(表上段)、受取人が受け取った保険金は、原則、一時所得として所得税がかかります。
課税対象:【(保険金+配当金-払込保険料総額-50万円)×1/2】
で計算されたものが課税対象となり、給与などの他の所得と合算して(総合課税)税金が計算されます。つまり、増えた金額が配当金も含めて50万円以下であれば、税金はかからないことになりますね。
ただし、例外的に、5年満期一時払養老保険等は差益(満期保険金+配当金-一時払保険料)に対して20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、地方税5%)の源泉分離課税(※)が適用されます。 
※源泉分離課税とは・・・税金が天引きされて、その処理だけで課税関係が完了し、確定申告が不要となる仕組みのこと。
満期金を受け取っても、「預けたものが返ってきただけ」と何も手続きをしないケースが良くありますが、場合によっては、確定申告をする必要があるので要注意ですね。特にサラリーマンの人は忘れがちなので気を付けましょう。

契約者(保険料負担者)、被保険者、受取人が各々異なる場合、受取人が受け取った保険金は贈与によって取得したものとされます。
課税対象:【受取金額-基礎控除110万円(1年間1人当たりの非課税の枠)】
の残額に対して課税されます。税率は以下の通りです。

<祖父母や父母などから、その年の1月1日において20歳以上の子・孫などへの贈与の場合>img_00092_2※ 110万円の基礎控除を引いた後の金額

例えば、契約者(保険料負担者)=父、被保険者=父、である養老保険の満期金を子が受け取った場合、父のお金が受取人である子に贈与されたことになります。もし、満期金が110万円以下であれば税金はかかりませんが、もし500万円なら、「500万円-110万円=390万円」に対して贈与税が課税されます。つまり、受け取った子は、お金を受け取った年の翌年2月1日から3月15日の間に確定申告をして、「390万円×15%-10万円=485,000円」の税金を納めなければなりません。
安易に考えて結んだ契約で、思わぬ税金を支払わなければならないケースもあるので、保険契約を結ぶ際には、受取時の税金も確認することを忘れずに!

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金子千春

千春コンサルティング事務所 代表
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャル技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー

新生銀行を経て2004年より独立。ライフプランや住宅ローンセミナー、個別相談、宅建講師、企業の従業員向け投資教育、小中学校や児童館での金銭教育など、「知らないで損をする」ことのないようにという観点から、講師や執筆を中心に活動中。

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